日本の建築・土木現場では、古くから木製の足場材が使われてきました。
足場丸太には主に杉や檜の間伐材が用いられ、板状の足場材としては 合板足場板・杉足場板・カラマツ足場板 などがあります。
このページで取り上げる「中古足場板」とは、その多くが 杉足場板 のことを指します。建築現場で役目を終えた板が廃棄されるのではなく、丁寧に選別・加工され、まったく新しい価値を持つ素材として再生したものです。
木材が本来持つ力を活かしながら、環境への負荷を減らすことができる――
中古足場板は、まさに「木の第二の人生」を象徴する存在と言えます。
中古足場板が選ばれる理由(長所)
中古足場板の最大の魅力は、長年使い込まれた木材ならではの風合いです。
使われてきた歴史から生まれる 深み・艶(つや)・古材特有の味わい
板一枚ごとに異なる 表情(ペンキ跡、日焼け、キズ、角の丸みなど)
新材では再現できない ヴィンテージ感・温かみ・存在感
長年の使用によって刻まれた印影は、工場では作れない「ひとつだけの個性」です。
それが店舗や住まいに置かれたとき、空間の雰囲気をぐっと豊かにしてくれます。
中古足場板の注意点(短所)
一方で、中古足場板ならではの課題もあります。
釘・タッカー・金具の除去、洗浄、選別などに 大変な手間がかかる
使用歴が異なるため、品質のばらつき がある
ささくれ、割れ、へこみ、残った金具による 安全性への配慮が必要
そのため、取り扱いや施工には経験が求められます。
しかし、これらの手間をかけてこそ中古足場板本来の魅力が生き、一点物の素材となります。
中古足場板が活躍する場所・使い道
中古足場板は、近年インテリアデザインの分野でも高く評価され、多くの店や住宅で採用されています。
● 店舗内装
カフェ
レストラン
美容院・サロン
物販店
ヴィンテージ感が強く、空間に落ち着きとストーリーを与えてくれます。
● 住宅・店舗の建材として
床材(ラフな仕上げに最適)
壁材・腰壁
>棚板・飾り棚
カウンター材
自然素材の温かさと存在感が、アクセントとして非常に効果的です。
● 家具材として
テーブル
カウンター
ベンチ・台
アートパネル・什器
使い込まれた素材だからこそ、仕上がった家具が「物語のある一品」になります。
まとめ ― 中古足場板は、ただの古材ではありません
中古足場板は、建築現場での役目を果たしたのち、
味わいのあるヴィンテージ素材として生まれ変わる木材です。
手間をかけて再生させることで、本来廃棄されるはずだった資源が再び価値を持ち、
店舗・住宅・家具づくりの中で豊かな表情を見せてくれます。
木を扱う私たちにとっても、環境を想う消費者にとっても、
中古足場板は「魅力と価値を兼ね備えた素材」といえるでしょう。